アスペルガー症候群(ASD)の原因と対処法に関する考察2ー脳機能障害説とスピリチュアル的考察
前回の記事ではアスペルガー症候群の原因について脳内物質説から考察をしました。
https://xn--cckua2b8hndxev86xqpmjfi7zrcv4c80fusiy7ae00c.com/archives/113
そしてその結論をもう一度まとめておくとアスペルガー症候群の症状は脳内物質の問題から起きていることは正しいと思われるが、ではなぜ脳内物質に問題が起きるかの原因は説明ができないので脳内物質説では根本的なところは解明されないままだと言う話でした。
そして前回でも述べたようにもう一つの有力説である脳機能障害説を本記事では考察していこうと思います。
アスペルガー症候群に関する脳機能障害説
まず脳機能障害説の概要がまとめられた文章を引用させていただきます。
1.脳領域間の機能的連結低下
脳内のネットワークの連結機能がうまくいかず、定型発達の人の場合と比べて機能が低下していることからアスペルガー症候群になるのではないかという説があります。これはアスペルガー症候群に限らず、自閉症スペクトラム障害に含まれる全ての障害に関しての原因だと考えられています。
2.社会的な活動をするための脳の部位の機能異常
人の脳には部位ごとに役割があります。その中に社会的な活動をするために使う部位もあり、以下のような部位に異常が起きたり働きが弱かったりするため、うまく人の表情や感情が理解できないのではないかと言われています。……[略]……
3.小脳の異常
小脳は、平衡感覚や強調運動などに関わっていると言われています。そのため小脳に異常が起きると、バランス感覚をあまり持てなくなると言われています。ほかにも、小脳に異常が起きると感情や認知にも影響があるのではないかと報告されていますし、自閉症スペクトラム障害の中には実際に小脳への異常が見られた人もいます。
4.脳内物質の異常
アスペルガー症候群が含まれる自閉症スペクトラム障害では、脳内物質に異常があるという報告があります。普通の人と比べて、血中オキシトシンが低い、セロトニンが高い、血中グルタミン酸が高いという違いが見られたという研究があります。
4に関しては私の考えで言う脳内物質説なので脳機能障害説とはわけて考えていますが引用元には一つにまとめてあったので一応そのまま引用をしました。
私の考えている脳機能障害説は1と2が合わさった概念が近いです。
私の考えるアスペルガー症候群と脳機能障害
以前の記事でアスペルガー症候群は男性的な特徴が強く出ているということを書きました。
https://xn--cckua2b8hndxev86xqpmjfi7zrcv4c80fusiy7ae00c.com/archives/101
アスペルガー症候群の脳は男性的な論理性や合理性、理性などの特性が強く、逆に女性的な感情、情緒、共感などの特徴が弱いと言えます。
そしてこの特徴はそのまま左脳と右脳の特徴と一致します。
このことを発達障害の専門家である吉濱ツトムさんは以下のように表現されています。
隠れアスペルガーも含めたアスペルガーの人の、約8割は男性です。女性より男性のほうが多いのですが、恋愛に関しては、ある意味、女性のアスペルガーのほうが深刻と言えます。
アスペルガーの人は、雑談ができず、他人の気持ちを推し量ることが苦手です。……[略]……
複数の物事を同時進行で行うのも苦手です。デート中、次の行き先を考えているときに話しかけられるとパニックになるし、歩きながら会話をすることさえ、満足にできません。……[略]……
すでにお気づきかもしれませんが、こういったアスペルガーの特徴は、「普通の男性」にも割とよく見られるものです。男性は、女性に比べて雑談をあまりしないし、相手の気持ちを察したり、細かい気配りをしたりするのもうまくありません。集中力がある反面、同時に2つ以上のことをこなすのは苦手です。
アスペルガーの特徴は男脳?
これは、男脳と女脳の違いに原因があります。女性の脳は、男性に比べて脳
梁(左右の大脳をつなぐ線維の束)が太いため、脳内を行きかう情報の量が多く、スピードが早いのです。普通、女性は男性より細かいことによく気がつくし、会話をしていても次々と内容が移り変わります。電話をしながら料理をして、ついでに片付けをするなんてことも可能です。
引用が多くなりますがそのほうが客観的で正確な考察ができると思うのでまた別の引用をさせてもらいます。
国立特別支援教育総合研究所客員研究員の渥美義賢さんによると
自閉症の脳は極度に男性型?
1.脳の男女差
……[略]……左右の大脳半球をつなぐ脳梁膨大部は女性の方が大きく、これが女性は言語機能において左右両半球を活動させ、左半球を主に活動させる男性より高い能力を示すことと関連があるかもしれないとされています。……[略]……
2.バロン・コーエンの「自閉症は極端な男性型脳」仮説
英国の自閉症研究者であるバロン・コーエンは「自閉症は極度な男性型脳(EMB : extreme male brain)」仮説を提唱しています。
バロン・コーエンは、特に脳の「システム化機能」と「共感機能」に注目して、それぞれに関する質問紙を開発し「システム化指数(SQ : systemizing quotient)」と「共感指数(EQ : empathy quotient)」を多くの男女を対象として調べています………[略]……。
そこでは、女性はSQが相対的に低くEQが相対的に高い傾向を示し、システム化機能より共感機能が優位であることが示唆されています。一方、男性はSQが相対的に高くEQが相対的に低い傾向を示し、共感機能よりシステム化機能が優位であることが示唆されています。
そしてアスペルガー症候群・高機能自閉症は、男性よりさらにシステム化機能が優位である人が多いとしています。このことから、バロン・コーエンは「自閉症は自閉症は極度な男性型脳を持っている」との仮説を立てています。そして自閉症が男性に多いことと関係があることを示唆しています。
バロン・コーエンという方は初めて知ったのですがまさに私のたどり着いた考えと同じことをすでにだいぶ前に行き着いていたようです(自分の考察が正しかったんだという嬉しさもあるのですが、すでにこのことにたどり着いた人がいたのかぁと残念な気持ちがあるのも探究、考察好きの孤立型アスペルガー症候群の特徴が出てます)。
アスペルガー症候群の解決法の仮説
つまりアスペルガー症候群とは左脳が優位すぎる状態の症状、または右脳の機能が弱い状態に出る症状ということが言えそうです(脳梁が細いから症状が出るのか、症状があるから脳梁が細くなるのか因果関係がわからないのが気にはなりますが)。
そこで私が思いついたのは「それなら右脳を鍛えればアスペルガー症候群の症状は緩和されるのではないのか?」という仮説です。
そこで右脳開発とアスペルガー症候群についての情報を検索しましたがあまりきちんとした情報が出てきませんでした。
関連した情報は出ては来るのですがあまり詳しく参考になるようなものは私には見つけられませんでした。
そこで自己を使った人体実験として少し前から右脳を使うトレーニング法などを調べ実践をして変化を見てみることにしました。
まだ始めたばかりなのでこれからなにか変化や効果があったらまた記事にしていこうと思っています。
ここまでが私の科学的なアスペルガー症候群の原因と対処法に対する仮説です。
科学的なという表現をしたのは他の考えもあると私は考えているからです。
つまり非科学的であるスピリチュアルと言われる分野での原因と対処法です。
アスペルガー症候群についてのスピリチュアル的考察
スピリチュアルな話になると一般の方からすると胡散臭く感じるでしょうが、他の人がすでに述べている科学的な説明だけをしても新しいこともなくオリジナリティもないので生産的でもなく意味も感じないので、胡散臭く感じられることを承知でも自分なりの考察をしていこうと思います(こういう合理的、実利的なところもまた孤立型のわかりやすい特徴です)。
ちなみにアスペルガー症候群はスピリチュアルにハマりやすいという特徴があるようで、私がスピリチュアルに興味を持ったのもアスペルガー症候群としての性質なのかもしれません。
アスペルガーがスピリチュアルにハマりやすい理由として素直で信じやすいこととアスペルガーの悩みを説明できることがあるようです。
私の場合は正直に言いますと、素直でもなく疑り深い人間だったので元々唯物論者でありアンチスピリチュアルな人間でしたのでこの特徴とは違う要因でスピリチュアルに興味を持ちました(精神的な悩みから興味を持ったというのは当てはまる部分はあると思います)。
元々唯物論者でありアンチスピリチュアルな人間で論理的な孤立型アスペルガー症候群なので科学や哲学が好きで趣味で本などを読んでいました(大学は文系だったので科学は素人の趣味レベルです)。
疑り深い唯物論者の私は目に見えないスピリチュアルなど馬鹿にしていましたし、当時引き寄せの法則の本が有名になっていたときに一応気になって買ってみたのですが見えない世界の存在とのチャネリングをして書いたというのがバカバカしく受け入れられずすぐ読むのをやめたレベルでした。
しかしその後最新の科学や科学哲学と呼ばれる分野を学ぶと量子物理学という最先端科学では人間の意識が物質や現象に影響を与えるということが大真面目に語られているということを知り自分の唯物論的な考えを改めざるを得なくなりました。
孤立型アスペルガー症候群は論理性や合理性にこだわって偏屈で頑固に見えますが、あくまでそれはその理論の正しさを信じているだけなので、自分の信じていたものが理論的に間違っていたとわかると新たな正しい理論へ執着なく鞍替えするというのはわかりやすい特徴だと思います。
孤立型アスペルガー症候群のアインシュタインとスピリチュアル
ちなみに私が孤立型アスペルガー症候群ではないかとこちらの記事で以前に言及したアインシュタインですが、彼は物理学者なんだから唯物論者でスピリチュアルなんて胡散臭いといいそうだと普通の方は思うかもしれませんが全くの逆で彼は神と宗教を信じていました。
神の意志は自然から読み取れる。関心があるのは創造の法則であって、神が長い白いひげを生やしているかどうかなどということではない。私は無限の一部だ。いっさいが(永遠のspecie aeternitates)の中にある」……[略]……
「私の宗教はモーゼが基本だ。神を愛し、自分と同じように隣人を愛せよ、というものだ。そして私にとって、神は[他のすべての原因の根底にある]第一原因なんだ。
ユダヤ人であったアインシュタインは、航海中にユダヤ教の宗教指導者(ラビ)から電報で、「あなたは神を信じるか?」と質問されました。この時彼は、「私はスピノザの神を信じている。それは、この世界の秩序ある調和の中に自身をあらわされる神であって、人間の運命や行動にかかわる神ではない」と返信しました。
またアインシュタインが最も尊敬していたというニュートンも逸話を見ると孤立型アスペルガー症候群のように思えるのですが、彼もニュートン力学の物理法則は神の力を分析するものだという考えだったそうです(ニュートンに関してはまだ詳しくないので孤立型だと強くは言えなくこれから調べてみようと思っているところです)。
アインシュタインは人間の五感や知覚は限られたものでその範囲外にある物事を非科学的だと排除するのは短絡的であるというような考えのようで私も今ではそれに同意します。
孤立型アスペルガー症候群は論理的、合理的でありながらもスピリチュアルな物事への関心も強いという特徴があるのではないかと思えます。孤立型は常識に縛られずに論理的、合理的に思考するというのが理由だと思われます(アインシュタインに関しては相対性理論の理論的美しさに固執して量子力学の不確定性を受け入れられずに否定したまま亡くなったというのもまたある意味孤立型らしいなと思いますが)。
脳科学とスピリチュアル
話が少し(だいぶ?)それていると感じる方もいると思うので話をもとに戻します。
なぜスピリチュアルの話をアスペルガー症候群と関連して話す必要があると感じたかの理由はある動画を見て思いついたことがあったからです。
その動画とは脳科学者であるジル・ボルト・テイラー博士という人が自分自身が脳卒中になり左脳の機能が停止たことがきっかけでスピリチュアルな感覚に目覚めたという話です(動画はTEDという講演などの動画サイトで20分ほどのもので、スマートフォンだとうまく表示されないことがあるようなのでこちらから見るほうがいいかもしれません)。
一応私なりに要約すると
左脳は分離独立した個人意識であり理性であり思考である。
右脳は一体性の全体意識であり感性であり感情である。
といったところでしょうか。
もしスピリチュアルな知識のある人がこの動画を見れば自我(エゴ)とは左脳の機能のことで真我(本来の自分)は右脳の機能だったのかと思うのではないでしょうか。
そしてアスペルガー症候群(特に孤立型に顕著ですが)とは全体から孤立しているという意識が強く、理性的で思考型である左脳優位の状態であるという最初の話とつながるのです。
ジル博士は脳卒中というトラブルで左脳が機能を停止したことで孤立意識が消え一体性や愛というものを感じる経験をしたわけですが、私達はそういうわけにもいかないのでどうにかして左脳を使うことから右脳を使うことへ切り替えていくことがアスペルガー症候群の対処法そして解決策になるのではないかと私は考えています。
これが私があえて一般の人からすれば胡散臭いと思われるであろうスピリチュアルを話した理由です(元からスピリチュアル分野を勉強していたので個人的には納得できる理論が出来たと自分で思ったのでアウトプットせずにはいられなかったという孤立型の特性のせいでもありますが)。
余談ですがこの動画の中の翻訳でnirvanaを天国と訳しているのが個人的に気になりました。英語圏の人ならば天国を表したいのならheavenを使うと思うのでnirvanaという表現をあえて使っているはずなのに一応形だけでも仏教圏の日本語訳が涅槃ではなく天国になっていることに違和感を覚えました(私の英語の知識は並程度なので私が間違っているのかもしれませんが)。
この人は左脳が停止した状態つまり思考や記憶が停止した状態を仏教で言う煩悩が滅却した状態の表現である涅槃(nirvana)と表したのであってそこには天国(heaven)とはあえて違う意味を込めて使っているように私には思えました(とは言え日本人でもスピリチュアルな知識のない人にとっては涅槃と言っても伝わりにくいでしょうし天国と訳したほうが意訳としては正しいとは思います)。
これからの課題
ではどうやって左脳から右脳へと切り替えていけばいいのかと言うのが私の次の課題です。
科学的には右脳を使うトレーニングを調べ学んでいるところで、スピリチュアル的には以前から瞑想や思考の客観視(これらは先程の動画から考えると左脳の機能を休ませることなのである意味科学的とも私には思えるのですが)や他のスピリチュアルメソッドをやっていますがそれとアスペルガー症候群に対する効果についてうまく説明できる感じが今のところしないのでまたまとまってきたら更新したいと思います(実は以前酷いうつ病から回復した一時期だけ私も右脳優位状態であったのではないかと思われる不思議な体験をしたことがあるのですが再現性がなくまた説明も難しく記事も長くなってきたので一旦ここで区切ろうと思います)。