孤立型アスペルガー症候群研究所 Aspergers;Gate

うつ病だと思い通院したところ孤立型アスペルガー症候群と双極性障害だと発覚した私が当事者目線でアスペルガーASD、双極性障害をメインに科学的、メンタル的、スピリチュアル的に研究、考察を試みています。発達障害、アスペルガー症候群、自閉症スペクトラムASD(孤立型・積極奇異型・受動型)、ADHD、うつ病、双極性障害、統合失調症、アダルトチルドレン、インディゴチルドレン等を考察し情報を発信しています。

アスペルガー症候群(ASD)の原因は右脳の扁桃体(感情分野)が未発達説

しばらく更新をしていませんでしたがその間に非常に興味深い本を二冊読んでいて今回の記事ではそのことをまとめて考察をしたいと思います。

脳医学者のMRIによるアスペルガー症候群ASD)の客観的分析

まずはじめにどのような本なのかを紹介をしておきます。

どちらも脳の専門医の加藤俊徳さんの著書で右脳の強化書―左手をもっと使えば弱点が逆転できる! と発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニングです。

加藤/俊徳
医師・医学博士。加藤プラチナクリニック院長。日本小児科学会専門医。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学MRI脳画像診断の専門家。新潟県生まれ。1991年、脳活動計測法fNIRSを発見。1995年から2001年まで米国ミネソタ大学放射線科MR研究センターでアルツハイマー病やMRI脳画像法の研究に従事。発達障害の脳の特徴「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、慶應義塾大学東京大学などで、脳の研究に従事。胎児から超高齢者まで1万人以上のMRI脳画像とともにその人の生き方を分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニングーamazon.co.jpより引用

 

発達障害という主観的な問題の障害を脳のMRIという非常に客観的な視点から研究しているということがとても参考になったのでこれは是非記事にしなければと感じ書くことにしました。

私は以前からアスペルガー症候群(ASD)の原因と対処法に関する個人的考察2ー脳機能障害説とスピリチュアル的考察などの記事でアスペルガー症候群は左脳優位で右脳が不活性状態説を持論として述べていて、またそれならば右脳を使うことでアスペルガー症候群が改善するのではないかということも述べてきました。

まさに私の考えていたことと同じことが書いてありとても納得し非常に興味深かった部分が以下の文章です。

自閉症スペクトラムアスペルガー症候群の人は、一見普通の人と同じように見えながら、相手の感情や場の空気を読むことが出来ません。彼らの脳の中を見ると右脳の感情系が弱いことがわかっています。

そのため、思ったことを端的な言葉で口にしてしまうので、人を傷つけてしまうことがあるのです。人の心の揺らぎや場の空気が適切に読めない人も、この右脳の感情系が未発達で、非言語を理解する能力が足りないと言えるでしょう。

言葉で物事を解決しようとするいわゆるザ・左脳派の人が多いと思います。

そんな人は普段から右脳をたくさん使って非言語を理解する力を鍛えればいいのです。

右脳の強化書P172.P173より引用

この考えはまさに私が思っていた通りのことでそれが客観的なMRIというものでわかっているのかと驚きを感じながらも自分の考えはやはり正しかったのだと嬉しくも思いました(思考・論理による考察好きな孤立型ASDの特徴がよくでていると我ながら思います)。

そしてもう一冊の本の中でも非常に興味深いことが書かれていました。

扁桃体に問題がある場合、感情系の表出が強すぎたり弱すぎたり、または怒りの抑制などが難しいなどの情動の問題が起こりやすくなります。その結果、刺激の強いものや予想がつかない場面や人を避ける、共感性が乏しくなるなど、社会性の発達にも問題が起きやすくなります。

発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニングP36より引用

まだ記事にはしていなかったのですが私もアスペルガー症候群扁桃体には関係性があるのではないかと薄々感じていたのでこれはとても参考になりました。

アスペルガー症候群の根底には他者や世界への恐れや分離感、拒絶感といったようなものが現れているのではないかという事を考えていて、恐怖を司る扁桃体アスペルガー症候群にはなにか関係があるのではないかと私も感じていました(積極奇異型と自己に鈍感なアレキシサイミアタイプの受動型は少しまた別の要素がある可能性も感じてはいますが)。

原因不明の発達障害の95%は、海馬または扁桃体の発達が遅れている

脳画像で詳細に海馬や扁桃体の発達を評価すると、高い確率で異常が見つかります。

発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニングP32より引用

MRIという客観的なデータとしても扁桃体に問題があるということがわかっているようです。

発達障害自閉症スペクトラム障害脳科学的客観的分類方法

また発達障害についての分類について非常に明確で論理的な記述がありASDに関心のある方には確実に参考になると思うので少々長いですが引用させていただきます。

多くの発達障害MRI脳画像の分析結果から、自閉症に限らず、発達障害は全般的に、海馬と扁桃体の発達遅滞のスペクトラムであると考えています。学習障害のセンターである海馬と、情動機能のセンターである扁桃体の、どちらがどれだけ発達がゆっくりしているのかによって、発達障害の症状が異なると考えているからです。海馬回旋遅滞は次の3つに大別されます。

①Hタイプ…扁桃体に問題がなく、海馬に発達遅滞がある場合には、学習や認知の発達が遅れる可能性があります。

②Aタイプ…海馬に問題がなく、扁桃体に発達遅滞がある場合には、情動や社会性の発達が遅れる可能性があります。

③HAタイプ…海馬と扁桃体のどちらにも発達遅滞がある場合には、学習面・認知面と情動・社会面の両方の発達が遅れる可能性があります。

たとえば自閉症の主症状は、①知的発達(海馬)の障害と、②社会性の発達(扁桃体)の障害の、③重複障害であると考えることが出来ます。

ここから派生して、純粋な知的障害は②がなくて①が主体、読み障害などの「学習障害」はさらに①が軽度であると理解できます。

反対に、①がなくて②が主体なのが「アスペルガー症候群」、②が主体で部分的に①があるのが「高機能自閉症」であると考えられます。

発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニングP38より引用

私は自分がアスペルガー症候群であるとわかりいろいろと情報を収集してきましたがここまで明確にしかも客観的に発達障害自閉症スペクトラム障害を分類しているものは初めて見つけました。

私がASDの情報を調べ始めて約半年くらいですがなぜこれだけの素晴らしい理論がもっと有名になっていないのかと思うほどです(私の情報収集能力が低く私が思っているより広く認知されている可能性はありますし、発売日が2017/3/21なのでまだ広まってないのかもしれませんが)。

これらの記述からやはりアスペルガー症候群は右脳に対するアプローチ法が効果的であるという私の考えは更に強まりました。

左手を使うことがアスペルガー症候群ASD)の改善方法となるか

私は今までは右脳自体を使うという方法、例えば言語ではなく感性を使う芸術、音楽や自然とのふれあいなどをメインとして実践していましたが、左手を使うということにも思っていたより効果があるのだなと考えが変わりました。

私の今までの考えとしてはやはり直接右脳自体を使うのが効果的で左手を使うという間接的なことは効果の低そうな方法だろうなと思っていましたが、この著書を見たあとに以前に脳外科医のペンフィールドという人が調べた脳と体の相関関係の図のことを思い出しました。

電気刺激を用いて「どの大脳の箇所が」「どの身体の部分を」について細かに研究したのが、カナダの脳神経外科ペンフィールド(1891~1976)でした。

ペンフィールドは大脳のどの部分が、身体のどの部分に対応しているかだけではなく、脳の各部分の対応領域の割合の大きさまでもを解き明かしたのです。

 

私たちの脳の中の小人――ペンフィールドのホムンクルスの話ーOLIVEより引用

 

https://www.flickr.com/photos/43997732@N08/より引用

この画像は脳と体の部位の相関関係を示しているということです。

脳がどの部位にどれだけ力を使っているかと言いかえることも出来ます。

この画像のことを思い出したので確かに脳を刺激、発達させるには手を使うことが理にかなっていると納得できました。

これからの私のアスペルガー症候群改善方法研究の方針として右脳を直接使う芸術・音楽・自然に触れることに加え左手を利用することの割合をもっと大きくしていこうと認識を改めさせられました。

これからもアスペルガー症候群の改善方法についてなにか参考になるものがあったら紹介していきたいと思います。