アスペルガー症候群ASDとHSPについての議論に終止符を打つ!(予定です)
アスペルガーASDとHSPの関係については最近割りと盛んなようでチラチラと目にしますがどうも私的にはしっくり来る答えがないのでイマイチHSPについて議題にしたくないという気持ちがありました(HSPの概念があいまいなのできちっとした医学的な基準のあるASDと比べると不確かなので私の性格的に言及をあまりしたくないというのが正直な気持ちです)。
ネット上でよく見かけるアスペルガー症候群ASDは障害でHSPは気質だという論調について
HSPとASDの違いの話になると必ずと言っていいほど出てくるASDは障害でHSPは気質というテンプレート回答ですが、じゃあ障害と気質って具体的に何が違うのか聞いてみたいところです。
例えば神経質な気質を持ってる人でもそれが行き過ぎれば潔癖症、強迫性障害になるわけでじゃあHSPという気質が行き過ぎればASDになるのか?というとどうもそのような感じではないと思います。
なので僕はASDは障害でHSPは気質という答えには納得していません。
それに大体ASDとHSPを語る場合HSPとは何かという定義ばかり話されて肝心のASDの議論がされてないことももやもやしたような感じがあります。
私の偏見ですがHSP側の人が自分はASDと違って障害ではないという主張をするためにHSPとは何かという目線からしか語られないのでASDの特徴を理解してないのに語っているように思えてしまいます。
そこで私はASDの定義を使ってASDとHSPの違いに終止符を打つつもりで本記事を書いていこうと思います。
ASDの定義は三つ組の障害+感覚の偏り
長いですがASDとは何かの定義を引用していきます。
先に軽く触れておくとASDの特徴は・社会性・社会的コミュニケーション・社会的イマジネーション・感覚の偏りという問題を抱えていると定義づけらえています。
英国の児童精神科医ローナ・ウイングは自閉症スペクトラム(ASD)を社会性、社会的コミュニケーション、社会的イマジネーション、
それぞれに質的な偏りがみられる、「3つ組の障害」と定義しました。
また、感覚の敏感さ/鈍感さなどの感覚の偏りや、その他の精神症状も併せ持ちやすいとされています。
以下に、三つ組と感覚の偏りについて、解説します。
社会性
同年代の他者と相互的な交流を行うことが困難なことが基本的な特性です。
幼児期には他者の存在への無関心、人より物への興味の強さで表現されることが多いです。学童期以降には親密で対等の関係を友人と構築することの困難さが特徴です。
ただし、ASDの人たちの社会性は発達しないわけではなく、ゆっくりと発達し、変化していきます。知的に高い人たちは、これまでの経験をもとに自分で特性が目立たないようにカバーしている人も少なくありません。
社会的コミュニケーション
コミュニケーションには、表出(話すことや表情・仕草などで表現する)と理解(聞くことや相手の表情や仕草をみる)があります。対人場面におけるコミュニケーションは、そうした表出と理解の両方が円滑かつスピーディに行えることで成立します。
ASDの人のコミュニケーション障害はコミュニケーションの発達が遅れが本質ではなく、社会的場面でのコミュニケーションの方法が独特であるのが特徴です。
例えば一見流暢に話し、専門用語や四文字熟語などを多用する人でも、意味を十分に理解せずに使用していることがあります。
音程や抑揚、早さ、リズムに偏りがあり話し方が単調であったり、リズムが不自然だったり、自分の好みのことを一方的に話し続けることや相手の言葉をそのまま繰り返してしまうといったこともコミュニケーションの方法の偏りです。
また、言葉を字義通りに受け取ってしまう、言葉の裏を読むことが苦手、相手の発した言葉の中で自分の気になった部分のみに着目してしまうといった偏りがあります。
社会的イマジネーション
ものを並べる、特定の物を集める、変化を嫌う(同じ行動を繰り返す)などの“こだわり”と言われる行動は、イマジネーションの障害が背景にあります。次に起こることを想像することが難しく、自分なりに見通しを持つことが出来ないため、同じパターンを繰り返し行うことで安心しやすいと言われています。
また、自分の好みの物を集めることや揃えることを好んだり、せっかく集めても、それを本来の目的ではなく、たた蒐集することだけで満足することもあります。
目に見えない物(イメージ)の共有は苦手なことが多い一方で、そこに具体的な実物、写真、絵、文字などの情報が見える形であると、イメージを他者と共有しやすくなるのが特徴です。
感覚の偏り
感覚刺激への反応に偏りがあることが多く、聴覚、視覚、味覚、臭覚、触覚、痛覚、体内感覚などすべての感覚領域で鈍感さや敏感さが生じます。聴覚:ある音には敏感に反応するが、別の音には鈍感であるなど、音源の種類によっても反応が異なることが多いです。工事現場や花火の音、車の走る音に対し苦痛を感じ耳をふさぐ子どもが大声で話しかけられても全く気がつかないということもあります。
視覚:手をかざしたり、横目をしてみたり、特定の視覚刺激を恐れるなど、視覚的な刺激に対する独特の感じ方があります。ミニカーを走らせて楽しむよりも、タイヤの回る部分に注目して見ることに熱中し、横目で物を見る感覚刺激を求めるなどの行動がみられることが多々あります。隙間からものを見ることを好む人もいます。
味覚:味、温度、固い食べ物、舌触りなどに過敏であったり、逆に鈍感だったりします。
臭覚:香水、消毒の臭い、体臭など特定の臭いを極端に嫌がったり、逆に人や物の臭いを頻繁に嗅ごうとすることもあります。
触覚:人から触られることを嫌がったり、軽く触られただけでも叩かれたように感じ、怒り出す人もいます。特定の感覚刺激を好む場合もあり、自分で頭を叩くなどの自己刺激行動を起こすこともあります。
長い引用になりましたが簡単にまとめると3つ組の障害+感覚の偏り=ASDと言えます
つまり3つ組の障害(社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の問題)がなく感覚の偏りだけがある人をHSPと呼んでいると考えるのが妥当でしょう。
と言えますし、逆に言えば
とも言えます。
このようにHSPとは何か、そしてASDとは何が違うのかはASDとは何かという定義を利用しなければわかりにくくなる一方だと思います(HSPの定義は私には非医学的で曖昧なものに感じられますがその点精神医学として研究されているASDはきちんとした定義づけがされているのでハッキリしているのがわかりやすくて個人的には使いやすいです)。
ちなみに感覚の偏りに関しては敏感すぎる人と鈍感すぎる人がいますがHSPの場合は明らかに前者でしょう。
ということは論旨からはズレますが感覚の偏りが鈍感すぎるが3つ組の障害の問題を持ってない後者もいると考えられます。
おそらくサイコパスと呼ばれる人達がこの概念に近いのではないかと感じます。
コミュニケーションの問題は無いが感情的な共感性を持っていないというところがサイコパスと類似していると思えます。
アスペルガー症候群ASDとHSPの違いは3つ組の障害があるかどうか
色々とネット上ではASDとHSPについて議論されていますが私はこの記事でその議論に終止符を打てると考えています。
敏感系ASD=3つ組の障害(社会性・コミュニケーション・想像力)+HSP(感覚過敏)
HSP(感覚過敏)=敏感系ASD-3つ組の障害(社会性・コミュニケーション・想像力)
《鈍感系ASD=3つ組の障害(社会性・コミュニケーション・想像力)+感覚鈍麻》