うつ病とうつ状態(双極性障害)の違いを当事者が考察
うつ病とうつ状態(双極性障害)の違いを双極性障害の当事者としての意見も交えて考察していこうと思います。
うつ病とうつ状態(双極性障害)は症状だけではほとんど同じ
事実私は双極性障害にもかかわらず自分はうつ病だと思い約10年間過ごしていたぐらいです。
これらはうつ病にもうつ状態にもあり見分けることは困難だと思われます。
事実うつ病だと思い通院していたが双極性障害だとわかるまでに約7~8年かかるといわれていることと、うつ病だと思っていた人の中で約16%が後に双極性障害だとわかったというデータもあるのでやはりそれだけ判別が難しいといえます。
違いはいくつかあるので分けて説明していこうと思います。
うつ病の原因はセロトニン不足、うつ状態の原因はドーパミン不足
まずは外から見てわかる違いではないのですが、メカニズム的な違いがあります。
うつ病の原因は有名なので皆さんご存知だと思いますが俗に言う「幸せホルモン」セロトニンが不足することです。
それに対してうつ状態の原因は「快楽物質」ドーパミンが不足することで起きると言われています。
そして双極性障害はドーパミン不足のうつ状態とドーパミン過剰の躁状態を繰り返す病気と言われています。
そして次は目に見える違いですが、うつ病がうつで一方向に気分が落ちてそれが上がってきて回復する病気なのに対して、双極性障害はうつ状態になって気分が下に落ちた後今度は上にあがりすぎてまた下に落ちるというサイクル性があることが大きな違いです。
個人的体験から双極性障害のうつ状態を考察する
双極性障害の個人的体験からうつ状態について考察をしたいと思います。
まず私が経験的に感じるのはうつ状態と躁状態ではまず躁状態から始まるのではないかと感じています。
先程も書いたとおり双極性障害はドーパミン量が不足したり過剰になったりする病気と考えられます。
そしてドーパミンは覚せい剤を使用すると放出される快楽物質です。
この点から双極性障害とはまずドーパミンが過剰に放出され躁状態になり次に使いすぎて枯渇して離脱症状を起こすのがうつ状態であると考えています。
これは覚せい剤を使用した状態と似ていると思えます(期間が短期的と長期的という大きな差はありますが仕組みは似ていると思えます)。
うつ病ではこのように脳内物質の変化は起きておらず単純にセロトニンが不足していると考えられているので、これが双極性障害当事者の私が考えるうつ病とうつ状態の最も大きな違いです。
行動面でのうつ病とうつ状態の違い
他に考えられるうつ病とうつ状態の違いですが、うつ病の場合基本的には病院に行き抗うつ薬を飲めば治って終わりと言われています。
一方双極性障害だと気づいていないうつ状態の人が自分はうつ病だと思い病院へ通った場合抗うつ薬でうつ状態から回復したと思って病院に行くのをやめたら実はそれは躁状態にだったというケースが多いと思われます。
そして調子のいい躁状態が終わったらまたうつ状態になりうつ病の再発だと思い込み通院をするというパターンが多いと考えられます。
さいごに
脳内物質の違いによるメカニズム的な違いと通院に関する行動面についてまとめてみました。
やはりうつ病と双極性障害は医者でも判別が難しいと言われているだけあって素人にはさらに判別が難しいと思われます。
個人的にうつ病ではなくうつ状態だと一番気づきやすいのは抑うつ状態が終わった後に逆に調子が良くなるかどうかという差が一番わかりやすいのではないかと思います。
本当はうつ状態から躁状態に移行したのに本人的にはうつ病が治って調子が良くなったと思っているのが気づきを遅らせる厄介なところでもあります。
私の場合もうつ病だったけど調子が良くなってきて勝手に通院をやめたという経験が何度もあります(もちろんうつ状態から躁状態になっただけだったのですが)。
私が自分が双極性障害だと気づけたのは少し前まで重いうつ状態だったのにいきなり調子が良くなったので流石に何かがおかしいと気づき、色々調べ双極性障害だとやっと気づき主治医へ報告し薬や治療方針が変わりました。
このように気付くまで約10年かかったのでやはりうつ病とうつ状態の判別は難しいのだと実体験からも実感します。
うつ病の抗うつ薬では回復しなかった抑うつ状態も双極性障害の薬では回復したのでやはり自分の病気にあった薬を使うことの重要性を実感しています。