双極性障害(躁うつ病)についてのアスペルガーASD的考察
今回は精神障害である双極性障害(躁うつ病)についてアスペルガー的に考察をしていこうと思います。
なぜ双極性障害(躁うつ病)について考察するのか
Twitterの方ではツイートをしたのですが私は自分が「アスペルガー+うつ病」だと思っていたのですが「アスペルガー+双極性障害」であると発覚し、診断されたからです。
そこで双極性障害についての知識や理解が不足していたので調査しまとめ考察をしようと思い至りました。
双極性障害とは何か
まず双極性障害とはなにか厚生労働省等のサイトから引用します。
うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態をくりかえします。躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことがみられます。
躁状態ではとても気分がよいので、本人には病気の自覚がありません。そのため、うつ状態では病院に行くのですが、躁のときには治療を受けないことがよくあります。しかし、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまうことがあります。本人だけでなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です。
このような症状のようです。
そして私にははっきりとこれに当てはまるという自覚があります。
以前は双極性障害と気づかなかたのですがその理由は、うつ状態が投薬治療によって改善しむしろ元気になったのでこれは治ったなと思い勝手に通院をやめてしまったからです。
それからしばらくの言動は、今冷静に考えれば確実に躁状態でした。
躁状態のサイン
次に躁状態の特徴を見ていきます。
- 睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
- 寝なくても元気で活動を続けられる
- 人の意見に耳を貸さない
- 話し続ける
- 次々にアイデアが出てくるがそれらを組み立てて最後までやり遂げることができない
- 根拠のない自信に満ちあふれる
- 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む
- 初対面の人にやたらと声をかける
- 性的に奔放になる
はっきり言ってほとんど見事に当てはまると言っていいほど以前の躁状態の私はこの状態でした。
うつ状態の時は明らかにネガティブになるので自分でおかしい、病気なんじゃと気づけるのですが、躁状態の時はポジティブで気分もハイなので本人的にはおかしいという自覚もなく、病気であるとも思わないことが多いようです。
私の場合当時のことを振り返るとやはり異常だったなと特に思える出来事が2つあります。
1つ目は今冷静な状態で考えればどう考えても詐欺だとわかるようなことに騙されてお金を払ってしまったことがありました。
今考えれば明らかな詐欺なのですが、困っているのでお金が必要だという迷惑メールのようなものに大真面目になり、助けるために必要だと思い振り込んだという事がありました。
2つ目は全然寝なくても平気になり(というより寝れなくなり)活発に活動をしている期間が続いた後に、突然気絶して気を失い救急車で運ばれ入院することになりました。
脳神経外科に入院し検査を受けたが特に問題は見当たらず、当時は特に原因不明という診断でしたが、今考えればあれは躁状態で寝不足になり脳がオーバーヒートし限界に来たので電源が切れたと考えるのが妥当だと思えます。
当時は寝れないのに活発に思考や活動をしていたので本人的には活発で元気なのですが脳は明らかに疲労している感覚がありました。
双極性障害とうつ病は違う病気である
一見して双極性障害はうつ病と似ているように思えますが医学的には別物であると考えられ扱われているようです。
双極性障害はうつ病ではありません
「双極性障害」はかつて「躁うつ病」といわれていました。そのこともあってうつ病の一種と誤解されがちでしたが、実はこの二つは異なる病気で、治療も異なります。
これまでに躁状態を経験したことはありますか?
本当は双極性障害であるのに軽い躁状態に気づかず、うつ病と診断されている人も少なくありません。うつ病の治療をしてもなかなか治らない患者さんが実は双極性障害だったということはしばしばあります。
躁とうつの症状が現れる間隔は数ヶ月だったり数年だったりいろいろです。躁状態から突然うつ状態へと切り替わることもあります。
うつ状態しか経験したことがないと思っていても、病気とは思えないようなごく軽い躁状態を何度も経験していた、ということもあります。この場合も双極性障害に含まれます。一般に、躁状態の期間よりもうつ状態の期間のほうが長く続く傾向があります。
双極性障害は、一般的には「躁うつ病」という名前で知られています。なんだか「うつ病」に似ていますが、両者はまったく違う病気で治療薬も異なります。
うつ病は単極性うつ病ともいい、気分が落ち込んだり、やる気がなくなったり、眠れなくなったりといったうつ症状だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態または軽躁状態を繰り返す病気です。
うつ病が下にさがるうつ状態だけ現れるのに対し双極性障害は下にさがるうつ状態だけでなく上にあがる躁状態もあることが決定的な違いにようです。
また薬の種類もうつ病と双極性障害では別のものが処方されるようです(私も先日双極性障害であることが発覚し薬が追加されました)。
この点からもやはりうつ病と双極性障害は別物であることがわかります。
双極性障害の治療法
双極性障害の治療法について引用し考察していきます。
双極性障害の治療には薬による治療と精神療法的アプローチがあります。
「こころの悩み」とは異なり、カウンセリングだけで回復が期待できるものではありません。薬物療法を基本に治療法を組み立てていきます。薬の飲み方
症状が多様な双極性障害は、とくに薬の使い分けが難しい疾患です。中には血中濃度を測りながら慎重に投与量を決める必要がある薬もあります。正確なデータをとるためにも、処方された量と回数をきちんと守ることが大切です。
また、双極性障害のうつ状態に対して使う薬は、うつ病の時に使う薬とは違います。うつ病に効く薬は、双極性障害のうつ状態には効かないのです。治療してもなかなか治らないうつ病が実は双極性障害だった、ということもしばしばあります。精神療法
精神療法だけでは双極性障害の治療は成り立ちませんが、薬物療法と併用しての精神療法は治療を順調に進めるうえで役立ちます。といっても、双極性障害に必要な精神療法は、いわゆるカウンセリングではありません。本人が自分の病気を知り、それを受け入れ、自ら病気をコントロールすることを援助するものです。
精神療法によって自分の再発のきざしにすぐに気づいて、対応することができるようになれば、再発時に早期に治療を始めることもできます。再発を放置することは双極性障害を悪化させることにつながるので、これは重要なことです。
双極性障害は脳の機能障害なのでカウンセリング等などで治るというものではないようです。
この点が他の精神疾患と違うように思えます(どちらかというとうつ病より統合失調症に近い感覚でしょうか)。
基本的には投薬治療で症状を抑え、心理療法で自己を客観的に把握しうつ状態と躁状態に気づいてコントロールできるようにするというアプローチのようです。
双極性障害の発症率は1%
次に双極性障害の発症率について引用し考察します。
100人に一人
日本における双極性障害の患者さんの頻度は、重症・軽症の双極性障害をあわせても0.4~0.7%といわれています。1,000人に4~7人弱ということで、これは100人に10人弱といわれるうつ病に比べると頻度は少ないといえます。
しかしながら、日本では本格的な双極性障害の調査が行われていないため、この数値が確かなものかどうかは議論があります。
欧米では双極性障害の有病率は2~3%といわれています。
うつ病が10%であることに比べ双極性障害は1%とかなり少ないように思えます。
私自身双極性障害は名前だけは知ってたのですが自分はうつ病だと思っていました。
まだまだうつ病などに比べ双極性障害は認知度が低いと思えます。
双極性障害の原因は遺伝?
次に双極性障害の原因について考察していきます。
双極性障害は遺伝するの?
双極性障害の原因は、まだ解明されていません。
しかし、この病気は精神疾患の中でも脳やゲノムなどの身体的な側面が強い病気だと考えられています。ストレスが誘因や悪化要因になりますが、単なる「こころの悩み」ではありません。
ですから、精神療法やカウンセリングだけで根本的な治療をすることはできません。
また双極性障害は、どんな性格の人でもなりうる病気です。
双極性障害の遺伝子研究
双極性障害は遺伝病ではなく、「親戚に1人も同じ病気の人はいません」、という人が大多数です。しかし、一卵性双生児のように、まったく同じゲノム(遺伝子の1セット)をもっていると、多くの場合、2人とも発症してしまうことから、遺伝子が関係していることは間違いないようです。
これまでの研究でみつかった遺伝子は、どれもほんのわずかな影響しかなく、双極性障害の原因遺伝子と呼べるものはみつかっていません。おそらくは、たくさんの弱い効果をもつ遺伝子の組み合わせで、発症しやすくなったり、しにくくなったりするのだと考えられます。
どうやら双極性障害の原因は遺伝子のようです。
一卵性双生児の多くが両方共発症するというデータから見ても遺伝子が関係していることは確実のようです。
しかし多くが発症ということは100%ではないということなので潜在的に発症因子の遺伝子を持っている人が後天的な状況で発症するかしないかと分かれる可能性があるように思えます。
この点は発達障害の一卵性双生児では両方共高い確率で発症するが100%ではないという点と似ていると感じました。
双極性障害も発達障害も遺伝的因子が潜在的にあり後天的環境により発症すると考えるのが妥当なように思えます。
双極性障害は心の病気ではなく脳の病気である
では次は双極性障害とは心の病気なのかということを考察していきます。
双極性障害は脳の病気です
以前は、双極性障害は、いわゆる「心の病気」だという見方もありました。半世紀以上前に、亡くなった患者さんの脳を調べる研究が盛んに行われた頃、脳をいくら調べても、結局、明らかな病変がみつからなかったのがその理由の一つです。また、症状が行動に表れることから、どうしても、心が原因であるかのように考えられる傾向があります。
しかし、この20年間の研究で、双極性障害が脳の病気であることを示す多くの証拠が得られました。たとえば、脳の中でも感情のコントロールに関わる部分(前部帯状回と呼ばれています)が小さくなっていると報告されています。ただしこれは、リチウムを服用している人では、正常化します。
以前、亡くなった方の脳を調べる研究で、脳の病変が観察されなかったのは、おそらく脳組織を観察する方法が未熟だったためと考えられます。さらなる研究により、双極性障害がどのような脳の病気であるか、明らかにされていくことでしょう。
どうやら双極性障害は心の病気ではなく脳の病気、障害であると科学的医学的には解明されているようです。
つまり精神論でどうにかなるものではないと言えるようです。
この点も脳の機能障害である発達障害と類似していると思えます。
発達障害アスペルガーASDと双極性障害の関係性についての考察
Twitterで双極性障害とアスペルガーについて考察している時にいろいろな情報をいただきました。
それらを元に双極性障害とアスペルガーの関係性について最後に私なりに考察していきます。
やはり似たようなケースの方もいるようですね
— 孤立型アスペルガー研究家マスペル (@Aspergers_Gate) 2019年5月7日
アスペルガー×鬱で孤立型
アスペルガー×躁で積極奇異型
という分類も出来そうですがまだまだ考察が必要ですね https://t.co/oQku6lRZQT
私も鬱からの双極性障害を治療していましたが、発達障害の専門医にかかってASDだったと分かりました
— にゃんこ兵長 (@nyanko_heicho) 2019年5月7日
ちなみにそこの院長は「双極性障害は発達障害の二次障害」という見解だそうです
発達障害の専門医が双極性障害は発達障害の二次障害という見解をしているのは興味深いですね
— 孤立型アスペルガー研究家マスペル (@Aspergers_Gate) 2019年5月7日
やはり発達障害と双極性障害は関係が深そうな気がしてきました
今後も考察対象にしていこうと思います https://t.co/y5bi6nW9qE
特に発達障害専門医が双極性障害は発達障害の二次障害であるという見解をしていると言うのが興味深いと思いました。
私の考察ではいまのところ上のように
という可能性を考えています。
また双極性障害には混合状態という躁とうつの転換期があるようなので
- アスペルガー×混合状態=受動型
という可能性もありえるのではないかとも感じています。
ただ躁状態のことを思い起こすと積極奇異型っぽさもあるのですがADHDっぽいような気もするので、ここに関しては正直まだまだ私の知識も浅いので今後考察が必要だと感じています。
もちろんすべてのアスペルガーが双極性障害を併発しているとは思っていませんが両方共遺伝的な脳機能障害なので何かしらの関係性はあるように今のところ思っています。